アゲハチョウの卵~幼虫~成虫 The ecology of Swallowtails
こんにちは。
柑橘系の木に今日も又、訪問者が・・・。
ひらひらと風に吹かれながら優雅な様相のアゲハチョウ!
昨年、柑橘系の苗を3本植え付けました。
いずれも50センチくらいの背丈で、ユズ、レモン、シークワーサーの苗です。
目隠しを兼ねて、折角なので実の成る木が良いな~と単純な考え。
沖縄で有名なシークワーサーが庭になっていたら素敵・・・とこれもまた単純!
単純な考えしかなかった昨年の苗の購入時点では、柑橘系の木がアゲハチョウの産卵場所になるとは、知る由もなかったのでした。
昨年、春に植え付け後、数枚あった葉は丸裸にされて1本のただの棒状態で冬を過ごすこととなりました。
しかし、その時点では、ナメクジとヨトウムシによる食害と考えていたのです。
今年に入って、柑橘系の木の1番の害虫は、ひらひらと優雅に舞うアゲハチョウの幼虫であることに気づいてしまったのでした。
3本の苗のうち、1番の成長株であるシークワーサーの木の辺りに、今日も1匹のアゲハチョウがひらひらやって来ました。
柑橘系の木の辺りをひらひらしているのは、産卵場所を思案している雌のチョウであると思ってほぼ間違いないでしょう。
成虫になったチョウが餌とするのは、柑橘系の葉ではなく蜜だからです。
柑橘系の葉を餌とする時期は、幼虫の時期に限られます。
時はお昼頃でしょうか・・!?
1匹のアゲハチョウ、シークワーサーの葉に足のあたりをくっつける動作を、4~5回それぞれ別の葉に繰り返した後、また、あてもなさそうにひらひらと去って行ったのでした。
アゲハチョウの去ったあとシークワーサーの葉を数枚裏返してみると・・・ありました・・・生みたてほやほや卵!
この季節、セミやチョウは忙しいのですよね~。
ということで、我が家の庭で見るアゲハチョウの卵からの成長の様子を集めてみました。
アゲハチョウの生態
アゲハチョウは、卵から1齢幼虫、2齢幼虫、3齢幼虫、4齢幼虫、5齢幼虫、蛹、成虫、という成長過程を辿り、卵、幼虫、蛹、成虫とそれぞれ全く異なる形と色をしながら成長する完全変態という昆虫に属します。
成虫になるまでの過程で、5回の脱皮を繰り返します。
卵
1ミリほどのクリーム色した卵から羽化するまでは約5日で、この間時間の経過とともに黒っぽく変色していきます。
産卵したばかりの卵。
このあと幼虫の写真がありますので、苦手な方はご注意ください。
幼虫期
1齢幼虫・・・羽化してすぐの幼虫で1ミリほどの大きさです。
2齢幼虫・・・羽化して5日ほど経過した5ミリほどの大きさで、黒い体に白い模様のトゲトゲのある体が特徴的です。
5ミリ程の幼虫。
体長が10ミリ近くになってトゲトゲが見られなくなっている3齢幼虫手前の姿。
横にあるのは卵。
3齢幼虫・・・3日ほど後に10ミリほどの大きさになり色形が変化した幼虫。
上記写真から2日後、体長1.5センチくらいで頭部に膨らみが見られ、4齢幼虫の手前であると考えられます。
4齢幼虫・・・丸みを帯びてきて一回り大きくなります。
5齢幼虫・・・緑色の身体になり、大きさはアゲハの種類により異なりますが、6センチ程になります。
蛹・・・蛹から成虫になるまでは約2週間。幼虫の時に住まいとしていた葉の上から場所を変えてその場所と同系色に身体を変化させて成虫になるまでを過ごします。
成虫・・・成虫の寿命は10日ほどです。この間、雌は200~300個の卵を産むとされています。
その産卵法は、1個1個の卵を別々の場所に産卵するという特徴があり、幼虫の餌の確保のためとも言われます。
卵から羽化して幼虫、蛹、成虫になって命尽きるまで、長くても2か月ということになりますね~。
成虫になるまでの期間が短いので、1年に3世代~4世代の産卵を迎えることにもなります。
春から秋まで産卵時期ですので秋遅くに産み付けられた場合、蛹の状態で越冬するということもあります。
チョウと言えども母ですね~。
生まれてくる後のことまで考えて、別々の場所に卵を産み落とすとは・・・!
あのひらひらとはかなげに風に吹かれるような飛び方は、只今産卵場所模索中! であれば納得できますね~。
アゲハチョウの命は、セミより短かったのです。
同じ生き物なのだとしみじみ感じます。
ですが、柑橘系の葉を丸坊主にされるのは、困るのですが・・・!
本日はこれにて失礼いたします~。🎎